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【自然観察】夏の虫たち~カマキリ
- 01_自然観察,03_自由研究
SDGsアドバイザーが講師をつとめる、兵庫県の理科実験教室、キッズアース播磨町校です。
カマキリの死因の一つに、脱皮の失敗、というのがあります。
夏は、虫たちが活躍する季節です。
虫捕りにいそしんでいる子供たちも多いことと思います。
キッズアース播磨町校の周辺でも、たくさんの昆虫を目にするようになりました。
今日はカマキリについてみていきましょう。
【カマキリの成長】
今年、カマキリの写真を最初に撮ったのは6/10(左端の写真)。
そこから1か月以上経って、カマキリもだいぶ大きく成長しました。
一つの卵鞘(らんしょう)には、200~300個程度の卵が入っていますが、そのうち成虫になれるのは数%程度、つまり10匹にも満たない程度しか成虫にはなれません。
強そうに見えるカマキリも、小さな頃は、クモやトカゲなどの餌になってしまうのです。
カマキリは幼虫も成虫も同じように見えますが、幼虫の頃には翅を使うことが出来ず、成虫になって翅が使えるようになります。
(とはいえ、身体が大きいため、トンボやチョウのように飛ぶというわけにはいきませんが。)
サナギにならないので、不完全変態の昆虫に分類されます。
【カマキリの種類】
カマキリは、全世界に2000種以上いると言われています。
有名なのだと、きれいな花に擬態する「ハナカマキリ」や、枯葉そっくりの「カレハカマキリ」などがいます。
日本には13種程度いると言われていますが、見かける可能性があるのは、
オオカマキリ、チョウセンカマキリ、コカマキリ、ハラビロカマキリ、ウスバカマキリ
と言った種類です。
【カマキリの脱皮とエサ】
伊丹市昆虫館(itakon.com)発行の「いたこんニュース31号」に、カマキリの飼育技術として、「さかさまになって脱皮できる場所を確保する」といったテクニックが記載されていますが、逆に言えば、それだけ脱皮の失敗で命を落とす個体が多い、ということでもあります。
また、同じ記事の中に、「カマキリにエサを与えるときは、目の前ではなく、頭の横でエサを振る」と書いてありますが、カマキリは動くものしか食べないという習性があります。
もし、カマキリが大きくなって人を襲うようになったら...その時は動かずじっとする、あえて正面に回る、などが対処法になる、ということですね(笑)
【カマキリの寿命】
カマキリは成虫のまま冬を越すことが出来ないので、寿命は1年もありません。
秋に見る大きなカマキリは、同じ年の4月や5月に生まれて、厳しい生存競争を生き残ってきた個体、ということですね。
サイズで言えば、メスの方が大きく、オスの方が小さいのですが、それだけに、オスがメスに襲われることもあります。
交尾時にオスはメスに食べられる、という話もありますが、生き延びる確率もそれなりにあるようです。
万が一、食べられてしまったとしても、1年にも満たない命の中で、子孫を残し、次世代への栄養となるのだ、と考えれば...我々の考え方とは違いますが、「遺伝子の乗り物」としてのカマキリは、そのように考えているのかもしれません。
【カマキリとハリガネムシ】
一度だけ、中学生だったころに、カマキリの大量行進を見たことがあります。
友人が「これはハリガネムシに操られているんだよ」と言って、カマキリを踏み潰すと、その死骸の中から黒い線状のものが出てきて、ウネウネと動くではありませんか。
ハリガネムシは寄生虫の一種で、カマキリを水場に誘導し、飛び込ませる、という行動をとらせます。
これによって、カマキリは水中生物の餌食となり、ハリガネムシは水中生物の体内へと、活動の場を移すのです。
調べると(怖いですが)面白い生物ではあります。
【自由研究と昆虫】
自由研究について悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の好きな昆虫や動物をしぼって、その生き物についていろいろ調べてまとめる、というのも立派な自由研究です。
その中に、自分で撮った写真や、自分で飼ってみて気付いたことなどを書くことが出来れば、なお素晴らしい発表が出来ると思います。
せっかくの夏休みの自由研究、自分の好きなことをしてまとめて見ましょう!
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