キッズアース播磨町校「共明塾」

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【展覧会】マンモス展@大阪ATC

    03_自由研究,05_見学・おでかけ
大阪ATC Galleryで開催されている『マンモス展』(2020.7/31~9.22)に行ってきました。



マンモス」(ケナガマンモス)は、約40万年ほど前に現れ、約1万年前に絶滅したゾウの仲間です。

今、我々が見ることの出来るゾウは、「アジアゾウ」と「アフリカゾウ」です。


(南アフリカにて森田孝撮影)

マンモス」は、これらのゾウと比べ、大きな牙を持ち、長い毛におおわれ、耳が小さい、という特徴があります。

長い毛と小さな耳は、寒い気候に適応していたのでしょう。
また、大きな牙も、雪の下の草などを食べる際に役立ったようです。

マンモス アフリカゾウ アジアゾウ
体高 2.9-3.5m 3-3.8m 2.5-3m
体重 3-6t 5.8-7.5t 4-5t
見つかった中での最大は4.5m
メスにもある
オスでは3m以上
メスにもある
オスでも2m以下、
メスは外部から見えない
小さい 大きく三角形 小さく四角形
黒、ベージュ、赤、白などの
色の毛におおわれる
濃い灰色 薄い灰色または白色

大きさは、今の「アフリカゾウ」と同じくらいで、とりわけ大きいというわけではなかったようです。


さて、一方、アフリカに生まれた「人類」は、長い時間をかけてヨーロッパ、アジアへと生息域を拡げました。
人類が「マンモス」を狩っていたのは確かで、「マンモス」絶滅の要因の一つとして挙げられることもあります。


人類」との関りも深い「マンモス」。
その生態から、発掘状況の紹介、-25℃での展示、「復活プロジェクト」まで、幅広く面白い展覧会でした。



マンモス」が生きていた時代、ユーラシア大陸の北方には「マンモスステップ」と呼ばれる草原が広がり、「ケサイ(毛の生えたサイ)」や「ステップバイソン」「ユキヒツジ」「ウマ」「ユキウサギ」などの草食動物、それを狙う「オオカミ」や「ホラアナライオン」などが生きていました。

ケサイ ステップバイソン ユキヒツジ

ウマ オオカミ ホラアナライオン


しかし、巨大生物である「マンモス」は、子どもであったり、ケガをしたり弱ったりしない限り、狙われることのない生き物でした。
寿命も60歳から70歳までと長く、中には90歳のマンモスもいたようです(牙や歯から年齢が分かります)。


しかし、この「マンモス」を狙って襲う動物が現れました。

人間」です。

人間」は「道具」や「」を使って、群れで「マンモス」を襲い、その肉や皮、骨、象牙などを利用しました。
マンモス1頭で10人家族が1か月食べられるくらいの肉が得られたそうです。
また、マンモスの骨を組み立てて作った「マンモスハウス」というものもあったそうです。

骨角器 石器


さて、「マンモス」が「恐竜」の化石と違うのは、「永久凍土」から見つかることです。
永久凍土」は土の凍った地層のことで、この中からは、生物の痕跡が「冷凍保存」された状態で見つかることがあるのです。
しかも、場所によっては、200万年以上前に出来た「永久凍土」もあるそうです。

とは言え、骨格としては世界で100体以上見つかっているマンモスですが、
これまで肉や皮、毛などが半分以上残っていて、無事に発見して研究所へ持ち帰えられたのは、
大人3体、子ども8体しかないそうです。

また、発掘現場について、映像や写真も含めて展示がありましたが、とても過酷な発掘だということが分かります。
寒いし、暑いし、硬いし、ドロドロだし、急がなきゃいけないし、遠いし...。

そうやって持ち帰られた貴重な「標本」を、一般人である我々が目にすることが出来る、というのは本当に有難いことだと思います。


今回の展覧会に向けての発掘調査では、4万年前の「子ウマ」の全身がそのまま発見され、これも展示されていました。



これは、すごい。
しかも、この「子ウマ」(「フジ」と名付けられた)からは、液体の血液と尿を採取することが出来たそうです。
まさに、4万年の冷凍保存。

子ウマ」の上に一部写っているのは「マンモス」の大きな皮膚で、これも発掘の映像で登場しており、
感動したのですが、展示の中で、一番鳥肌が立ったのは、「マンモス」の鼻。

マンモスの鼻

鼻の先が分かりますよね。そして、全体に毛が生えているのも。
内側には最初から毛が無く、冬場には鼻を丸めて過ごしていたようです。


そして、ここからは、近畿大学が行っている「マンモス復活プロジェクト」についての話になります。


この研究の素晴らしさと困難さについて、詳しくは上の記事をどうぞ。

さて、マンモスを現代に復活できるかもしれない、というのは、本当に夢のような話だと思います。

しかし、展示の中にも大きく触れられていましたが、
それを行っても良いのか、という倫理的な問題もあることを忘れてはいけません。

現生のゾウが絶滅危惧種とされている中で、それを使った実験が許されるのか、
本来、群れで生きているゾウの仲間を1体だけ復活させてどうするのか、
子ゾウを誰がどう責任をもって育て最期まで看取るのか、
そもそも生命そのものをそのように扱っても良いのか...。

そういった問題も視野に入れながら、バトンは次のステージへと渡されているのです。
さらに素晴らしい研究の進展を期待しています。


そして同時に、これから先、キッズアースからも、こういった最先端の研究に進む生徒が出てきてくれると嬉しいな、と思います。

非常に面白く、見応えのある展覧会でした。



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